Chrome 126 以降、Android 版 Chrome カスタムタブの新機能により、ユーザーとデベロッパーのウェブ エクスペリエンスが向上します。アプリ固有の履歴を使用すると、Android ユーザーはアプリ固有の閲覧履歴を表示し、カスタムタブと Chrome の両方でその履歴に基づいて操作できます。
ユーザーにとっては、コンテンツの検索や再訪がこれまで以上に簡単になります。未回答の質問、完了していないショッピング ジャーニー、ユーザーが Chrome とアプリを使い続けるきっかけとなる複雑なタスクなど、アプリから得たインスピレーションに基づいて、ユーザーは引き続き行動できます。
ただし、この機能を有効にするには、デベロッパーがオプトインする必要があります。具体的には、アプリのパッケージ名を Chrome と共有する必要があります。詳しくは、デベロッパーとアプリのユーザーの双方にとってのメリットをご覧ください。
仕組み
アプリ固有の履歴は、アプリのカスタムタブで開いたリンクをユーザーが確認するためのエントリ ポイントです。これにより、Chrome ユーザーは Chrome アプリ内からブラウジング セッションを再開できます。元のアプリからのリンクは Chrome の履歴にグループ化されるため、ユーザーは以前にアクセスしたページを簡単に見つけ、戻ることができます。
アプリ固有の履歴は、setShareIdentityEnabled を使用して有効にします。CustomTabsIntent で使用すると、API は Chrome にホストアプリのパッケージ名へのアクセス権を付与します。これにより、Chrome は Chrome カスタムタブ セッションを識別し、履歴エントリにタグを付けることができます。
ユーザーにとってのメリット
モバイルでは、以前に視聴したコンテンツに戻るのが難しいという問題がよく発生します。Chrome などのブラウザでは履歴が保持されますが、多くのアプリにはウェブ エクスペリエンスも埋め込まれているため、履歴をスキャンして見つけるのが難しくなります。ブックマークなどの既存のソリューションでは、限界があります。
アプリ固有の履歴を使用すると、ユーザーはウェブ コンテンツをすばやく見つけ、そのコンテンツに戻ることができます。ユーザーは、アプリのコンテンツで見た商品の詳細ページやニュース記事をすでに関連付けている場合、そのページに移動できます。履歴内のリンクの参照元をより適切に絞り込んで把握し、Chrome とホストアプリの両方でリンクを確認できるようになります。ユーザーは、アプリと Chrome をシームレスに行き来できるようになり、マルチセッションの複雑なタスクに便利な場所として両方を利用するようになります。
![Chrome の履歴が表示されている Android ウェブブラウザ](https://developer.chrome.com/static/blog/android-app-specific-history/image/chrome-history.png?authuser=8&hl=ja)
![オーバーフロー メニューが表示されている Android カスタムタブ](https://developer.chrome.com/static/blog/android-app-specific-history/image/in-app-custom-tab-overflow-menu.png?authuser=8&hl=ja)
デベロッパーにもメリットがある
アプリ固有の履歴は、アプリ デベロッパーにとってメリットがあります。アプリ内のトラフィックとエンゲージメントを増やすのに役立ちます。Chrome に履歴とシームレスな遷移を追加すると、アプリの放棄や、ユーザーがアプリの外部でカスタムタブ コンテンツをスタンドアロン ブラウザで開こうとするケースを防ぐことができます。
アプリ内では、エンゲージメントの高いユーザーの過去の意図、キャンペーン、その他の質の高いインタラクションにアクセスできる無料のサーフェスとランチャーが提供され、コンテンツを深く掘り下げることができます。Chrome では、アプリのブランディングと視認性が向上し、ユーザーがアプリに再度アクセスする必要がある休止中のタスクを再訪しやすくなります。
アプリ固有の履歴は、堅牢なエクスペリエンスを提供して、アプリ内でのユーザーの投資と生産性を高めます。オプトインを選択したユーザーは、ユーザー エクスペリエンスの向上というメリットを必ず享受できます。
アプリ固有の履歴を今すぐ利用開始
アプリ固有の履歴の使用を開始するには、Android Browser Helper ライブラリで追加のドキュメントとコードをご覧ください。この API は、Chrome と Android 14 以降を搭載したデバイスに固有のものです。