翻訳者の technohippy さん、レビュアーの yoichiro さん、 lacolaco さん、 yoshiko-pg さんに感謝いたします。
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Recorder: ステップごとのCopy asオプション、ページ内リプレイ、ステップのコンテキストメニュー

Recorder内で既存のユーザーフローを開いてください。これまでは、ユーザーフローをリプレイすると、DevToolsは常にそのページを開くか、リロードするところからリプレイを開始していました。
最新バージョンでは、Recorderはそのナビゲーションステップを独立して表示します。右クリックして削除すると、ページ内リプレイを実行できます!
その他、ユーザーフロー全体をエクスポートする代わりに、Recorderパネルでステップを右クリックしてクリップボードにコピーできます。この機能は拡張機能とも組み合わせて利用できます。例えば、ステップをNightwatch Testスクリプトとしてコピーしてみてください。この機能を使用すると、既存のスクリプトを簡単に更新できます。
これまで、ステップメニューにアクセスする手段は3ドットボタンしかありませんでしたが、ステップの好きな場所を右クリックすることでそのメニューにアクセスできるようになりました。
Chromium issues: 1322313, 1351649, 1322313, 1339767
パフォーマンスの記録の中で実際の関数名を表示
ソースマップが存在すれば、Performanceパネルのトレース内で実際の関数名とそのソースが表示されるようになりました。

この例では本番環境ではソースファイルはミニファイされています。例えば、このデモでは、sayHi
関数は n
と、takeABreak
関数は o
とミニファイされます。

これまでは、Performanceパネルでトレースを記録すると、トレースにはミニファイされた関数名だけが表示され、デバッグが難しくなっていました。
最新の変更で、DevToolsはソースマップを読み取り、実際の関数名とソース内の位置を表示するようになりました。
Chromium issues: 1364601, 1364601
ConsoleとSourcesパネルでの新しいキーボードショートカット
Sourcesパネル内で次のようにしてタブを切り替えることができます: MacOS では、Function + Command + 上下カーソルキー。 Windows と Linux では、Control + Page upまたはPage down。
さらに、Emacs と同様に Ctrl + N と Ctrl + P で、オートコンプリートの提案をナビゲートできます。例えば、Console
で window.
と入力した後で、このショートカットを使用してオートコンプリートを操作できます。
その上で、DevTools は行の一番最後でだけ右カーソルキーをオートコンプリートのために使用できるようになります。例えば、コードのどこかで編集しているときにオートコンプリートダイアログが表示されるとします。そこで右カーソルキーを入力するなら、おそらく、オートコンプリートの操作ではなく、カーソルを次の位置に移動することが目的でしょう。この UX の変更はあなたの作業意図により沿うものです。
Chromium issue: 1167965, 1172535, 1371585. 1369503
JavaScript デバッグの改善 {: #debugging } -->
今回のリリースには JavaScript デバッグの改善がいくつか含まれています。
new.target
はメタプロパティで、このプロパティを使用すると関数やコンストラクタが new 演算子を使用して呼び出されたものかどうかを確認できます。 Console でnew.target
をログ出力してデバッグ中にその値を確認できるようになりました。これまでは、new.target
を入力するとエラーになっていました。WeakRef
オブジェクトを使用すると、別のオブジェクトがガーベジコレクタに回収されることを妨げないように、そのオブジェクトの弱参照を保持できます。 DevTools はその値をインラインプレビューし、デバッグ中にコンソール内で直接弱参照を評価できるようになりました。これまでは、明示的にderef
を呼び出して解決する必要がありました。- シャドウされた変数のインラインプレビューが修正されました。これまでは、表示される値が間違っていました。
- Sources パネル内の Scope ペインで、
Generator
とasync
関数内の変数名の難読化を解除
Chromium issues: 1267690, 1246863 1371322, 1311637
その他のハイライト
今回のリリースに含まれる、注目すべき修正は次のようなものです。
- Styles ペインで無効な CSS プロパティに関するより多くのヒントをサポート - インラインの高さと幅、flex と grid のプロパティ。 (1373597, 1178508, 1178508,1178508)
- シンタックスハイライトの修正。これは DevTools 内の最近の code editor の更新以降正しく動いていませんでした。 (1290182)
- Recorder 内の blur イベントの後の input change イベントを正しくキャプチャ。 (1378488)
- Recorder 内でのデバッグ体験を改善するために、エクスポートされる Puppeteer リプレイスクリプトを更新。 (1351649)
- リモートデバッグの際の Recorder での記録とリプレイをサポート。 (1185727)
var()
内の特別な CSS 変数名のパースを修正。これまで、DevTools はvar(--fo\ o)
のようなエスケープキャラクタを含む変数のパースををサポートしていませんでした。 (1378992)
[実験的] ブレークポイント管理の UX 改善
この実験的機能を有効にするには、Settings > Experiments の下にある Enable re-designed Breakpoint Sidebar Pane in the Sources Panel を有効にしてください。
現在の Breakpoints ペインにはすべてのブレークポイントを見落とさないようにしてくれる視覚的な助けがほとんどありません。それに加えて、頻繁に利用される機能がコンテキストメニューに隠されています。
この実験的な UX の再デザインは Breakpoints に構造を持ち込むことと開発者がよく使用する機能、特にブレークポイントの編集と削除にすばやくアクセスできるようにすることを目的としています。
ハイライトは次の機能です。
- 2つの Pause オプションが Breakpoints ペインにあります。オプションの意味がわかるようにテキストラベルが添えられます。
- ブレークポイントはファイルごとに行やカラムで順序付けられてグループ化され、表示を縮小することもできます。
- Breakpoint ペインのブレークポイントやファイル名にマウスカーソルを重ねたときに、ブレークポイントを削除、編集するためのオプションが新しく表示されます。
すべての変更は RFC (closed) で確認できます。フィードバックは こちら に残してください。

Chromium issues: 1346231, 1324904
[実験的] 自動的な直接のプリティプリント
この実験的機能を有効にするには、Settings > Experiments の下にある Automatically pretty print in the Sources panel を有効にしてください。
Sources パネルはミニファイされたソースファイルを自動的に直接プリティプリントするようになりました。{ }
pretty print ボタンをクリックすると取り消すことができます。
これまで、Sources はデフォルトでミニファイされた内容を表示していたため、開発者はプリティプリントボタンを手動でクリックして内容をフォーマットする必要がありました。しかも、プリティプリントされた内容は同じファイルではなく別の ::formatted
タブに表示されていました。

Chromium issue: 1164184
プレビューチャンネルのダウンロード
Chrome Canary、Dev、Betaをデフォルトの開発ブラウザとして利用することを検討してください。これらのプレビューチャンネルでは DevTools の最新機能を利用でき、最先端のウェブプラットフォーム API をテストして、ユーザーが遭遇するよりも先にあなたのサイトの問題を見つけることができます。
Chrome DevTools チームとの交流
新しい機能や、この投稿の変更、その他 DevTools に関することであれば何でも、意見があれば以下のいずれかを使用してご連絡ください。
- 私たちへの提案やフィードバックはcrbug.comから投稿してください。
- DevTools の問題は DevTools の More options
> Help > Report a DevTools issues を使用してレポートしてください。
- @ChromeDevTools 宛にTweetしてください。
- What's new in DevTools YouTubeビデオにコメントを残してください。
More DevTools features
関連する機能の完全なリストは、What's New In DevTools の英語版を参照してください。以下は、日本語に翻訳された内容の一部です。
Chrome 110
- 再読み込み時の Performance パネルのクリア
- Recorder の更新
- Recorder でのユーザーフローコードの表示およびハイライト
- レコーディング時のセレクタタイプのカスタマイズ
- レコーディング中のユーザーフローの編集
- 自動的な直接のプリティプリント
- Vue、SCSS などのシンタックスハイライトとインラインプレビューの改善
- Console での人間工学的で一貫性のあるオートコンプリート
- その他のハイライト
Chrome 109
- Recorder: ステップごとのCopy asオプション、ページ内リプレイ、ステップのコンテキストメニュー
- パフォーマンスの記録の中で実際の関数名を表示
- ConsoleとSourcesパネルでの新しいキーボードショートカット
- JavaScript デバッグの改善
- その他のハイライト
- [実験的] ブレークポイント管理の UX 改善
- [実験的] 自動的な直接のプリティプリント
Chrome 108
Chrome 107
- DevTools のキーボードショートカットのカスタマイズ
- キーボードショートカットでのライトテーマとダークテーマの切り替え
- Memory Inspector で C/C++ オブジェクトをハイライト表示
- HAR インポート時の完全な Initiator 情報をサポート
Enter
を押した時にのみ DOM 検索を開始- CSS のフレックスボックスプロパティ
align-content
にstart
とend
のアイコンを表示 - その他のハイライト
Chrome 106
- Sources パネルでの Authored / Deployed によるファイルのグループ化
- 非同期処理にリンクされたスタックトレース
- 既知のサードパーティスクリプトを自動的に無視する
- デバッグ中の改善されたコールスタック
- Sources パネルで無視リストに含まれるソースを非表示にする
- Command Menu で無視リストにあるファイルを非表示にする
- Performance パネルの新しい Interactions トラック
- Performance Insights パネルでの LCP タイミングの内訳
- Recorder パネルでの記録のデフォルト名称の自動生成
- その他のハイライト
Chrome 105
- Recorder パネルでのステップ・バイ・ステップ再生
- Recorder パネルでのマウスオーバーイベントのサポート
- Performance insight パネルに Largest Contentful Paint (LCP) を追加
- レイアウトシフトの潜在的な主要因であるテキストのフラッシュ(FOIT、FOUT)を識別
- Manifest ペインの Protocol ハンドラ
- Elements パネルの Top layer バッジ
- 実行時に WASM のデバッグ情報をアタッチ
- デバッグ中のライブ編集をサポート
- Styles ペインで @scope at-rule の閲覧と編集
- Source map の改善
- その他のハイライト
Chrome 104
- デバッグ中のフレーム再起動
- Recorder パネルでのスロー再生オプション
- Recorder パネル用の拡張機能を構築
- Sources パネルで Authored / Deployed でファイルをグループ化する
- Performance insights パネルの新しい User Timings トラック
- 要素に割り当てられたスロットの表示
- パフォーマンス計測のためのハードウェア並列度シミュレーション
- CSS 変数のオートコンプリート時に色以外の値のプレビュー
- Back/forward cache ペインでブロックしているフレームの特定
- JavaScript オブジェクトのオートコンプリート候補の改善
- ソースマップの改善
- その他のハイライト
Chrome 103
- Recorder パネルでのダブルクリックイベントや右クリックイベントのキャプチャ
- Lighthouse パネルでの新しいタイムスパンモードとスナップショットモード
- Performance Insights パネルでの改善されたズーム制御
- パフォーマンスレコーディングの削除確認
- Element パネルでのペインの並び替え
- ブラウザ外でのカラーピッキング
- デバッグ中の改善されたインラインでの値のプレビュー
- 仮想認証器での大きな blob サポート
- Sources パネルでの新しいキーボードショートカット
- ソースマップの改善
Chrome 102
- プレビュー機能: 新しいパフォーマンスインサイトパネル
- ライトテーマとダークテーマをエミュレートする新しいショートカット
- Network Preview タブのセキュリティ改善
- ブレークポイントのリロード改善
- コンソールの更新
- ユーザーフローレコーディングを開始時にキャンセル
- Styles ペインで継承されたハイライト疑似要素を表示
- その他のハイライト
- [実験的] CSS の変更をコピー
- [実験的] ブラウザ外の色を抽出
Chrome 101
- 記録されたユーザーフローをJSONファイルとしてインポート/エクスポート
- Styles ペインでカスケードレイヤーを表示する
- hwb() カラー関数のサポート
- プライベートプロパティの表示を改善
- その他のハイライト
- [実験的] Lighthouse パネルに新しいタイムスパンとスナップショットのモードを追加
Chrome 100
- Styles ペインでの @supports アットルールの表示と編集
- デフォルトで共通セレクタをサポート
- レコーディングのセレクタをカスタマイズする
- レコーディングのリネーム
- ホバーでクラスや関数のプロパティをプレビューする
- Performance パネルでの Partially presented frames
- その他のハイライト
Chrome 99
- WebSocketリクエスト数の制限
- Application パネル内に新しく追加されたReporting API ペイン
- Recorder パネルに要素が可視/クリック可能になるまで待機する機能が追加
- コンソールのスタイル設定、フォーマット、フィルタの改善
- ソースマップファイルを使用した Chrome 拡張機能のデバッグ
- Sources パネルのソースフォルダツリーの改善
- Sources パネルにワーカーのソースファイルを表示
- Chrome の自動ダークテーマの更新
- タッチ操作で使いやすいカラーピッカーとスプリットペイン
- その他のハイライト
Chrome 98
- プレビュー機能: フルページアクセシビリティツリー
- Changes タブで変更点のよりわかりやすい表示
- ユーザーフローレコーディングのタイムアウト時間を長く設定する
- Back/forward cache タブでページがキャッシュ可能であることを確認する
- 新しい Properties ペインのフィルター
- CSS の force-colors メディア機能のエミュレート
- ホバー時にルーラーを表示するコマンド
- Flexbox エディターで
row-reverse
とcolumn-reverse
をサポート - XHR のリプレイと全検索結果の展開に新しいキーボードショートカットを追加
- Lighthouse パネルの Lighthouse 9
- Sources パネルの改善
- その他のハイライト
- [実験的] Reporting API ペインに Endpoints を追加
Chrome 97
- プレビュー機能: 新しい Recorder パネル
- デバイスモードでのデバイス一覧の更新
- Edit as HTML でのオートコンプリート
- 改善されたコードデバッグ体験
- デバイスを横断した DevTools 設定の同期
Chrome 96
- プレビュー機能: 新しい CSS Overview パネル
- CSS の length の編集とコピーの挙動の復旧と改善
- CSS の prefers-contrast メディア機能のエミュレート
- Chrome の Auto Dark Theme 機能のエミュレート
- Styles ペインで JavaScript として宣言をコピー
- Network パネルの新しい Payload タブ
- Properties ペインのプロパティ表示の改善
- コンソールで CORS エラーを隠すオプション
- Console での適切な
Intl
オブジェクトのプレビューと評価 - 一貫性のある async スタックトレース
- Console のサイドバーの維持
- Application パネルの Application cache ペインの廃止
- [実験的] Application パネルの新しい Reporting API ペイン
Chrome 95
- 新しいCSSの長さ編集ツール
- Issues タブで問題を隠す
- プロパティの表示の改善
- Lighthouse 8.4 が Lighthouse パネルに
- Sources パネルでのスニペットの並べ替え
- 翻訳されたリリースノートへの新しいリンクと翻訳バグの報告
- DevTools Command MenuのUI改善
Chrome 94
- 好みの言語での DevTools の利用
- 新しく Nest Hub デバイスがデバイスリストに
- フレーム詳細ビューの Origin trials
- 新しい CSS コンテナクエリバッジ
- ネットワークフィルタを反転するための新しいチェックボックス
- Console サイドバーが今後非推奨に
- Issue タブや Network パネルでの未加工の
Set-Cookie
ヘッダーの表示 - Console での自身のプロパティとしてのネイティブアクセサの一貫した表示
- #sourceURL を使ったインラインスクリプトの適切なエラースタックトレース
- Computed ペインでのカラーフォーマットの変更
- カスタムツールチップをネイティブの HTML ツールチップに置き換え
- [実験的] Issues タブでの問題の非表示
Chrome 93
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