翻訳者の yoichiro さん、レビュアーの technohippy さん、 lacolaco さん、 yoshiko-pg さんに感謝いたします。
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再読み込み時の Performance パネルのクリア
Start profiling and reload page ボタンをクリックすると、 Performance パネルでスクリーンショットとトレースの両方がクリアされるようになりました。
今までは、 Performance パネルには以前のレコーディングのスクリーンショットを含むタイムラインが表示されていました。これにより、実際の測定がいつ開始されたかを確認することが難しくなっていました。これからは、レコーディングが空白のトレースで開始されることを保証するために、パネルは常に最初に about:blank
ページに移動します。これは、すでに同じことを行っている Performance Insights パネルの動作と一致します。

Chromium issues: 1101268, 1382044
Recorder の更新
Recorder でのユーザーフローコードの表示およびハイライト
Recorder は分割コードビューを提供するようになり、ユーザーフローコードをより簡単に表示できるようになりました。コードビューにアクセスするには、ユーザーフローを開き、 Show Code をクリックします。
Recorder では、左側の各ステップにカーソルを合わせると対応するコードを強調表示することで、フローを簡単に追跡できるようにします。ドロップダウンを使用してコードの書式を変更できます。これにより、 Nightwatch Test スクリプトなどの書式を切り替えることができます。

Chromium issue: 1385489
レコーディング時のセレクタタイプのカスタマイズ
重要なセレクタタイプのみをキャプチャするレコーディングを作成できます。新しいレコーディングの作成時にセレクタタイプをカスタマイズする新しいオプションを使用すると、XPath などのセレクタを含めたり除外したりできるため、ユーザーフローに必要なセレクタのみを確実にキャプチャできます。

Chromium issue: 1384431
レコーディング中のユーザーフローの編集
Recorder では、レコーディング中に編集できるようになり、リアルタイムで柔軟に変更できるようになりました。調整のためにレコーディングを終了する必要はなくなりました。

Chromium issue: 1381971
自動的な直接のプリティプリント
Sources パネルは、ミニファイされたソースファイルを所定の位置に自動的にプリティプリントするようになりました。 pretty print ボタン { }
をクリックして元に戻すことができます。
以前は、デフォルトで Sources パネルにミニファイされたコンテンツが表示されていました。コンテンツをフォーマットするには、プリティプリントボタンを手動でクリックする必要がありました。その上、プリティプリントされたコンテンツは同じタブではなく、別の ::formatted
タブに表示されていました。

Chromium issues: 1383453, 1382752, 1382397
Vue、SCSS などのシンタックスハイライトとインラインプレビューの改善
Sources パネルでは、広く使用されているいくつかのファイル形式のシンタックスハイライトが強化され、Vue、JSX、Dart、LESS、SCSS、SASS、インライン CSS など、コードをより簡単に読み、その構造を認識できるようになりました。

さらに、DevTools では Vue、インライン HTML、および TSX のインラインプレビューも改善されました。変数にカーソルを合わせると、その値がプレビューされます。

それとは別に、DevTools は Sources パネルにスタイルシートのソースマップを表示するようになりました。具体的には、SCSS ファイルを開いてソースマップリンクをクリックすることで、関連する CSS ファイルにアクセスできます。

Chromium issues: 1385374, 1385632, 1385281, 1385269, 1383892, 1361862, 1383451, 1392106, 1149734
Console での人間工学的で一貫性のあるオートコンプリート
DevTools は、次の変更を実装することにより、オートコンプリートの体験を強化します。
Tab
は常にオートコンプリートに使用されます。右カーソルキー
とEnter
の動作は、コンテキストによって異なります。- オートコンプリートの体験は、 Console 、 Sources 、および Elements パネルのテキストエディタ間で一貫しています。
たとえば、 Console に cons
と入力すると、次のようになります。
- Console には、オートコンプリート候補のリストが表示されます。上部のオプションの周りに細かい点線の境界線が表示され、ナビゲーションがまだ開始されていないことが示されます。
Enter
を押すと、 Console はその行を実行します。以前は、最上位の提案で自動的に行を補完していました。オートコンプリートするには、Tab
または右カーソルキー
を押します。
- Console は、
上カーソルキー
と下カーソルキー
のショートカットを使用して候補リストをナビゲートする際に、選択されたオプションを強調表示します。
- ナビゲーション中に選択したオプションでオートコンプリートするには、キーボードの
Tab
、Enter
、または右カーソルキー
キーを使用します。
- コードの途中で編集する場合、たとえば、カーソルが
n
とs
の間にある場合、Tab
を使用してオートコンプリートを行い、Enter
を使用して行を実行し、右カーソルキー
を使用してカーソルを前方に移動します。
Chromium issues: 1399436, 1276960
その他のハイライト
以下は、このリリースでの注目すべき修正の一部です。

- インラインスクリプトの
debugger
ステートメントで停止できなかった DevTools のリグレッションの問題が解決されました。 (1385374) - デフォルトで
console.trace()
メッセージを展開または折りたたむことができる新しい Console 設定。 Setting > Preferences > Expand console.trace() message by default を使って設定を ON/OFF します。 (1139616) - Sources パネルの Snippets ペインは、 Console と同様に、強化されたオートコンプリートをサポートします。 (772949)
プレビューチャンネルのダウンロード
Chrome Canary、Dev、Betaをデフォルトの開発ブラウザとして利用することを検討してください。これらのプレビューチャンネルでは DevTools の最新機能を利用でき、最先端のウェブプラットフォーム API をテストして、ユーザーが遭遇するよりも先にあなたのサイトの問題を見つけることができます。
Chrome DevTools チームとの交流
新しい機能や、この投稿の変更、その他 DevTools に関することであれば何でも、意見があれば以下のいずれかを使用してご連絡ください。
- 私たちへの提案やフィードバックはcrbug.comから投稿してください。
- DevTools の問題は DevTools の More options
> Help > Report a DevTools issues を使用してレポートしてください。
- @ChromeDevTools 宛にTweetしてください。
- What's new in DevTools YouTubeビデオにコメントを残してください。
More DevTools features
関連する機能の完全なリストは、What's New In DevTools の英語版を参照してください。以下は、日本語に翻訳された内容の一部です。
Chrome 110
- 再読み込み時の Performance パネルのクリア
- Recorder の更新
- Recorder でのユーザーフローコードの表示およびハイライト
- レコーディング時のセレクタタイプのカスタマイズ
- レコーディング中のユーザーフローの編集
- 自動的な直接のプリティプリント
- Vue、SCSS などのシンタックスハイライトとインラインプレビューの改善
- Console での人間工学的で一貫性のあるオートコンプリート
- その他のハイライト
Chrome 109
- Recorder: ステップごとのCopy asオプション、ページ内リプレイ、ステップのコンテキストメニュー
- パフォーマンスの記録の中で実際の関数名を表示
- ConsoleとSourcesパネルでの新しいキーボードショートカット
- JavaScript デバッグの改善
- その他のハイライト
- [実験的] ブレークポイント管理の UX 改善
- [実験的] 自動的な直接のプリティプリント
Chrome 108
Chrome 107
- DevTools のキーボードショートカットのカスタマイズ
- キーボードショートカットでのライトテーマとダークテーマの切り替え
- Memory Inspector で C/C++ オブジェクトをハイライト表示
- HAR インポート時の完全な Initiator 情報をサポート
Enter
を押した時にのみ DOM 検索を開始- CSS のフレックスボックスプロパティ
align-content
にstart
とend
のアイコンを表示 - その他のハイライト
Chrome 106
- Sources パネルでの Authored / Deployed によるファイルのグループ化
- 非同期処理にリンクされたスタックトレース
- 既知のサードパーティスクリプトを自動的に無視する
- デバッグ中の改善されたコールスタック
- Sources パネルで無視リストに含まれるソースを非表示にする
- Command Menu で無視リストにあるファイルを非表示にする
- Performance パネルの新しい Interactions トラック
- Performance Insights パネルでの LCP タイミングの内訳
- Recorder パネルでの記録のデフォルト名称の自動生成
- その他のハイライト
Chrome 105
- Recorder パネルでのステップ・バイ・ステップ再生
- Recorder パネルでのマウスオーバーイベントのサポート
- Performance insight パネルに Largest Contentful Paint (LCP) を追加
- レイアウトシフトの潜在的な主要因であるテキストのフラッシュ(FOIT、FOUT)を識別
- Manifest ペインの Protocol ハンドラ
- Elements パネルの Top layer バッジ
- 実行時に WASM のデバッグ情報をアタッチ
- デバッグ中のライブ編集をサポート
- Styles ペインで @scope at-rule の閲覧と編集
- Source map の改善
- その他のハイライト
Chrome 104
- デバッグ中のフレーム再起動
- Recorder パネルでのスロー再生オプション
- Recorder パネル用の拡張機能を構築
- Sources パネルで Authored / Deployed でファイルをグループ化する
- Performance insights パネルの新しい User Timings トラック
- 要素に割り当てられたスロットの表示
- パフォーマンス計測のためのハードウェア並列度シミュレーション
- CSS 変数のオートコンプリート時に色以外の値のプレビュー
- Back/forward cache ペインでブロックしているフレームの特定
- JavaScript オブジェクトのオートコンプリート候補の改善
- ソースマップの改善
- その他のハイライト
Chrome 103
- Recorder パネルでのダブルクリックイベントや右クリックイベントのキャプチャ
- Lighthouse パネルでの新しいタイムスパンモードとスナップショットモード
- Performance Insights パネルでの改善されたズーム制御
- パフォーマンスレコーディングの削除確認
- Element パネルでのペインの並び替え
- ブラウザ外でのカラーピッキング
- デバッグ中の改善されたインラインでの値のプレビュー
- 仮想認証器での大きな blob サポート
- Sources パネルでの新しいキーボードショートカット
- ソースマップの改善
Chrome 102
- プレビュー機能: 新しいパフォーマンスインサイトパネル
- ライトテーマとダークテーマをエミュレートする新しいショートカット
- Network Preview タブのセキュリティ改善
- ブレークポイントのリロード改善
- コンソールの更新
- ユーザーフローレコーディングを開始時にキャンセル
- Styles ペインで継承されたハイライト疑似要素を表示
- その他のハイライト
- [実験的] CSS の変更をコピー
- [実験的] ブラウザ外の色を抽出
Chrome 101
- 記録されたユーザーフローをJSONファイルとしてインポート/エクスポート
- Styles ペインでカスケードレイヤーを表示する
- hwb() カラー関数のサポート
- プライベートプロパティの表示を改善
- その他のハイライト
- [実験的] Lighthouse パネルに新しいタイムスパンとスナップショットのモードを追加
Chrome 100
- Styles ペインでの @supports アットルールの表示と編集
- デフォルトで共通セレクタをサポート
- レコーディングのセレクタをカスタマイズする
- レコーディングのリネーム
- ホバーでクラスや関数のプロパティをプレビューする
- Performance パネルでの Partially presented frames
- その他のハイライト
Chrome 99
- WebSocketリクエスト数の制限
- Application パネル内に新しく追加されたReporting API ペイン
- Recorder パネルに要素が可視/クリック可能になるまで待機する機能が追加
- コンソールのスタイル設定、フォーマット、フィルタの改善
- ソースマップファイルを使用した Chrome 拡張機能のデバッグ
- Sources パネルのソースフォルダツリーの改善
- Sources パネルにワーカーのソースファイルを表示
- Chrome の自動ダークテーマの更新
- タッチ操作で使いやすいカラーピッカーとスプリットペイン
- その他のハイライト
Chrome 98
- プレビュー機能: フルページアクセシビリティツリー
- Changes タブで変更点のよりわかりやすい表示
- ユーザーフローレコーディングのタイムアウト時間を長く設定する
- Back/forward cache タブでページがキャッシュ可能であることを確認する
- 新しい Properties ペインのフィルター
- CSS の force-colors メディア機能のエミュレート
- ホバー時にルーラーを表示するコマンド
- Flexbox エディターで
row-reverse
とcolumn-reverse
をサポート - XHR のリプレイと全検索結果の展開に新しいキーボードショートカットを追加
- Lighthouse パネルの Lighthouse 9
- Sources パネルの改善
- その他のハイライト
- [実験的] Reporting API ペインに Endpoints を追加
Chrome 97
- プレビュー機能: 新しい Recorder パネル
- デバイスモードでのデバイス一覧の更新
- Edit as HTML でのオートコンプリート
- 改善されたコードデバッグ体験
- デバイスを横断した DevTools 設定の同期
Chrome 96
- プレビュー機能: 新しい CSS Overview パネル
- CSS の length の編集とコピーの挙動の復旧と改善
- CSS の prefers-contrast メディア機能のエミュレート
- Chrome の Auto Dark Theme 機能のエミュレート
- Styles ペインで JavaScript として宣言をコピー
- Network パネルの新しい Payload タブ
- Properties ペインのプロパティ表示の改善
- コンソールで CORS エラーを隠すオプション
- Console での適切な
Intl
オブジェクトのプレビューと評価 - 一貫性のある async スタックトレース
- Console のサイドバーの維持
- Application パネルの Application cache ペインの廃止
- [実験的] Application パネルの新しい Reporting API ペイン
Chrome 95
- 新しいCSSの長さ編集ツール
- Issues タブで問題を隠す
- プロパティの表示の改善
- Lighthouse 8.4 が Lighthouse パネルに
- Sources パネルでのスニペットの並べ替え
- 翻訳されたリリースノートへの新しいリンクと翻訳バグの報告
- DevTools Command MenuのUI改善
Chrome 94
- 好みの言語での DevTools の利用
- 新しく Nest Hub デバイスがデバイスリストに
- フレーム詳細ビューの Origin trials
- 新しい CSS コンテナクエリバッジ
- ネットワークフィルタを反転するための新しいチェックボックス
- Console サイドバーが今後非推奨に
- Issue タブや Network パネルでの未加工の
Set-Cookie
ヘッダーの表示 - Console での自身のプロパティとしてのネイティブアクセサの一貫した表示
- #sourceURL を使ったインラインスクリプトの適切なエラースタックトレース
- Computed ペインでのカラーフォーマットの変更
- カスタムツールチップをネイティブの HTML ツールチップに置き換え
- [実験的] Issues タブでの問題の非表示
Chrome 93
更新日 • 記事を改善する