翻訳者の yoshiko-pg さん、レビュアーの yoichiro さん、 lacolaco さん、 technohippy さんに感謝いたします。
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Styles ペインで高精細色をデバッグする
新しい CSS の色の種類と空間 がウェブにやってきます! 開発者が高精細色を作成・変換・デバッグするのに役立つ新しいツールがDevToolsに導入されたことも、同様にエキサイティングなことです。
Styles ペインが CSS カラー レベル 4 にある 12 の新しい色空間と 7 つの新しい色域をサポートするようになりました。Web 上で利用可能なカラーオプションを包括的に理解するには、CSS 高精細色ガイド を参照してください。
以下に color()
、 lch()
、 oklab()
、 color-mix()
を用いた CSS での色の定義の例を示します。

color-mix()
関数を使用すると、最終的な色の出力を Computed ペインで確認できます。

カラーピッカーは、より多くの機能によって、新しい色空間をすべてサポートします。例えば、 color(display-p3 1 0 1)
の色見本をクリックしてみてください。色域境界線も追加され、sRGB
と display-p3
の色域を区別し、選択した色の色域をより明確に理解できるようになりました。
DevTools はカラーフォーマット間の色変換をサポートしています。変換ポップアップを表示するには、Change Color Format アイコンを使用するか、単に Shift
を押しながら Styles ペイン内の色見本をクリックします。
変換するとき、空間に合わせてクリップされたかどうかを知ることは重要です。DevTools は変換された色の横に警告アイコンを表示し、このクリッピングを警告します。
さらに、新しいショートカットでスクリーンから色を選べます。 c
を押すとスポイトがアクティブになり、Escape
を押すと非アクティブになります。スポイトツールは sRGB 色空間内の色しかサンプリングしません。例えば、sRGB の色空間の外にある色 color(display-p3 1 0 1)
をサンプリングしようとすると、スポイトツールはその色を sRGB 空間で最も近い色であるマゼンタ color(display-p3 0.92 0.2 0.97)
にクリッピングします。
最後に、 Color format の設定は、新しい高精細色のフォーマットに対応するため、非推奨となりました。
Chromium issues: 1073895, 1395782, 1408777, 1395782, 1392717, 1382409, 1392054
強化されたブレークポイントのUX
再設計された Breakpoints ペインでは、よく使われる機能、特にブレークポイントの無効化、編集、削除に素早くアクセスできるようになりました。
ハイライトをいくつか紹介します。
- キャッチされなかった例外による一時停止オプションについても Breakpoints ペインに移動され、テキストでラベル付けされ、より分かりやすくなりました。
- ブレークポイントはファイルごとにグループ化され、行番号や列番号で並べられ、折りたためるようになりました。
- ブレークポイントやファイルにカーソルを置くと、ブレークポイントを無効化、削除、編集する新しいオプションが表示されます。
- ブレークポイントの編集ボタンをクリックすると、ブレークポイントエディタが開きます。ここからブレークポイントの条件を入力したり、ログポイントに切り替えられます。
DevTools でデバッグする方法を学ぶには、JavaScript デバッグリファレンス をご覧ください。
Chromium issues: 1407586, 1402891, 1402893
カスタマイズ可能な Recorder ショートカット
キーボードショートカットを使って、ユーザーフローの記録と再生を素早くおこなえます。
Recorder では、より早くユーザーフローを記録・再生できるように、いくつかの便利なキーボードショートカットを導入しています。
ショートカットを覚えていませんか? 問題ありません。「?」ボタンをクリックすれば、いつでもすべてのショートカットを表示できます。
これらのショートカットは Settings メニューからカスタマイズすることもできます。
別のパネルで作業していて、ユーザーフローの記録を開始したい場合、DevTools の コマンドメニュー から Create a new recording コマンドを使用して開始します。
Chromium issue: 1339771
Angular のシンタックスハイライトの改善
DevTools は、 Angular の HTML テンプレートのシンタックスハイライトを強化し、コードを読みやすく、構造を認識しやすくしました。
Chromium issues: 1385374, 1385678
キャッシュを Application パネルで再整理する
Cache Storage ペインは Application パネルの Storage セクションに、Back/Forward cache ペインは Background Services セクションに移動されました。
Chromium issue: 1407166
その他のハイライト
今回のリリースで、特筆すべき以下の修正がおこなわれました。
- DevTools がソースマップを読み込む際に Disable cache の設定が反映されるようになりました。(1407084)
- Elements パネルで、検索結果の最初にマッチした要素に瞬時にオートフォーカスが当たるようになりました。(1381853)
- デバッグをより容易にするために、DevTools はプライベートクラスメンバーを含む式の評価をサポートするようになりました。(1381806)
プレビューチャンネルのダウンロード
Chrome Canary、Dev、Betaをデフォルトの開発ブラウザとして利用することを検討してください。これらのプレビューチャンネルでは DevTools の最新機能を利用でき、最先端のウェブプラットフォーム API をテストして、ユーザーが遭遇するよりも先にあなたのサイトの問題を見つけることができます。
Chrome DevTools チームとの交流
新しい機能や、この投稿の変更、その他 DevTools に関することであれば何でも、意見があれば以下のいずれかを使用してご連絡ください。
- 私たちへの提案やフィードバックはcrbug.comから投稿してください。
- DevTools の問題は DevTools の More options
> Help > Report a DevTools issues を使用してレポートしてください。
- @ChromeDevTools 宛にTweetしてください。
- What's new in DevTools YouTubeビデオにコメントを残してください。
More DevTools features
関連する機能の完全なリストは、What's New In DevTools の英語版を参照してください。以下は、日本語に翻訳された内容の一部です。
Chrome 110
- 再読み込み時の Performance パネルのクリア
- Recorder の更新
- Recorder でのユーザーフローコードの表示およびハイライト
- レコーディング時のセレクタタイプのカスタマイズ
- レコーディング中のユーザーフローの編集
- 自動的な直接のプリティプリント
- Vue、SCSS などのシンタックスハイライトとインラインプレビューの改善
- Console での人間工学的で一貫性のあるオートコンプリート
- その他のハイライト
Chrome 109
- Recorder: ステップごとのCopy asオプション、ページ内リプレイ、ステップのコンテキストメニュー
- パフォーマンスの記録の中で実際の関数名を表示
- ConsoleとSourcesパネルでの新しいキーボードショートカット
- JavaScript デバッグの改善
- その他のハイライト
- [実験的] ブレークポイント管理の UX 改善
- [実験的] 自動的な直接のプリティプリント
Chrome 108
Chrome 107
- DevTools のキーボードショートカットのカスタマイズ
- キーボードショートカットでのライトテーマとダークテーマの切り替え
- Memory Inspector で C/C++ オブジェクトをハイライト表示
- HAR インポート時の完全な Initiator 情報をサポート
Enter
を押した時にのみ DOM 検索を開始- CSS のフレックスボックスプロパティ
align-content
にstart
とend
のアイコンを表示 - その他のハイライト
Chrome 106
- Sources パネルでの Authored / Deployed によるファイルのグループ化
- 非同期処理にリンクされたスタックトレース
- 既知のサードパーティスクリプトを自動的に無視する
- デバッグ中の改善されたコールスタック
- Sources パネルで無視リストに含まれるソースを非表示にする
- Command Menu で無視リストにあるファイルを非表示にする
- Performance パネルの新しい Interactions トラック
- Performance Insights パネルでの LCP タイミングの内訳
- Recorder パネルでの記録のデフォルト名称の自動生成
- その他のハイライト
Chrome 105
- Recorder パネルでのステップ・バイ・ステップ再生
- Recorder パネルでのマウスオーバーイベントのサポート
- Performance insight パネルに Largest Contentful Paint (LCP) を追加
- レイアウトシフトの潜在的な主要因であるテキストのフラッシュ(FOIT、FOUT)を識別
- Manifest ペインの Protocol ハンドラ
- Elements パネルの Top layer バッジ
- 実行時に WASM のデバッグ情報をアタッチ
- デバッグ中のライブ編集をサポート
- Styles ペインで @scope at-rule の閲覧と編集
- Source map の改善
- その他のハイライト
Chrome 104
- デバッグ中のフレーム再起動
- Recorder パネルでのスロー再生オプション
- Recorder パネル用の拡張機能を構築
- Sources パネルで Authored / Deployed でファイルをグループ化する
- Performance insights パネルの新しい User Timings トラック
- 要素に割り当てられたスロットの表示
- パフォーマンス計測のためのハードウェア並列度シミュレーション
- CSS 変数のオートコンプリート時に色以外の値のプレビュー
- Back/forward cache ペインでブロックしているフレームの特定
- JavaScript オブジェクトのオートコンプリート候補の改善
- ソースマップの改善
- その他のハイライト
Chrome 103
- Recorder パネルでのダブルクリックイベントや右クリックイベントのキャプチャ
- Lighthouse パネルでの新しいタイムスパンモードとスナップショットモード
- Performance Insights パネルでの改善されたズーム制御
- パフォーマンスレコーディングの削除確認
- Element パネルでのペインの並び替え
- ブラウザ外でのカラーピッキング
- デバッグ中の改善されたインラインでの値のプレビュー
- 仮想認証器での大きな blob サポート
- Sources パネルでの新しいキーボードショートカット
- ソースマップの改善
Chrome 102
- プレビュー機能: 新しいパフォーマンスインサイトパネル
- ライトテーマとダークテーマをエミュレートする新しいショートカット
- Network Preview タブのセキュリティ改善
- ブレークポイントのリロード改善
- コンソールの更新
- ユーザーフローレコーディングを開始時にキャンセル
- Styles ペインで継承されたハイライト疑似要素を表示
- その他のハイライト
- [実験的] CSS の変更をコピー
- [実験的] ブラウザ外の色を抽出
Chrome 101
- 記録されたユーザーフローをJSONファイルとしてインポート/エクスポート
- Styles ペインでカスケードレイヤーを表示する
- hwb() カラー関数のサポート
- プライベートプロパティの表示を改善
- その他のハイライト
- [実験的] Lighthouse パネルに新しいタイムスパンとスナップショットのモードを追加
Chrome 100
- Styles ペインでの @supports アットルールの表示と編集
- デフォルトで共通セレクタをサポート
- レコーディングのセレクタをカスタマイズする
- レコーディングのリネーム
- ホバーでクラスや関数のプロパティをプレビューする
- Performance パネルでの Partially presented frames
- その他のハイライト
Chrome 99
- WebSocketリクエスト数の制限
- Application パネル内に新しく追加されたReporting API ペイン
- Recorder パネルに要素が可視/クリック可能になるまで待機する機能が追加
- コンソールのスタイル設定、フォーマット、フィルタの改善
- ソースマップファイルを使用した Chrome 拡張機能のデバッグ
- Sources パネルのソースフォルダツリーの改善
- Sources パネルにワーカーのソースファイルを表示
- Chrome の自動ダークテーマの更新
- タッチ操作で使いやすいカラーピッカーとスプリットペイン
- その他のハイライト
Chrome 98
- プレビュー機能: フルページアクセシビリティツリー
- Changes タブで変更点のよりわかりやすい表示
- ユーザーフローレコーディングのタイムアウト時間を長く設定する
- Back/forward cache タブでページがキャッシュ可能であることを確認する
- 新しい Properties ペインのフィルター
- CSS の force-colors メディア機能のエミュレート
- ホバー時にルーラーを表示するコマンド
- Flexbox エディターで
row-reverse
とcolumn-reverse
をサポート - XHR のリプレイと全検索結果の展開に新しいキーボードショートカットを追加
- Lighthouse パネルの Lighthouse 9
- Sources パネルの改善
- その他のハイライト
- [実験的] Reporting API ペインに Endpoints を追加
Chrome 97
- プレビュー機能: 新しい Recorder パネル
- デバイスモードでのデバイス一覧の更新
- Edit as HTML でのオートコンプリート
- 改善されたコードデバッグ体験
- デバイスを横断した DevTools 設定の同期
Chrome 96
- プレビュー機能: 新しい CSS Overview パネル
- CSS の length の編集とコピーの挙動の復旧と改善
- CSS の prefers-contrast メディア機能のエミュレート
- Chrome の Auto Dark Theme 機能のエミュレート
- Styles ペインで JavaScript として宣言をコピー
- Network パネルの新しい Payload タブ
- Properties ペインのプロパティ表示の改善
- コンソールで CORS エラーを隠すオプション
- Console での適切な
Intl
オブジェクトのプレビューと評価 - 一貫性のある async スタックトレース
- Console のサイドバーの維持
- Application パネルの Application cache ペインの廃止
- [実験的] Application パネルの新しい Reporting API ペイン
Chrome 95
- 新しいCSSの長さ編集ツール
- Issues タブで問題を隠す
- プロパティの表示の改善
- Lighthouse 8.4 が Lighthouse パネルに
- Sources パネルでのスニペットの並べ替え
- 翻訳されたリリースノートへの新しいリンクと翻訳バグの報告
- DevTools Command MenuのUI改善
Chrome 94
- 好みの言語での DevTools の利用
- 新しく Nest Hub デバイスがデバイスリストに
- フレーム詳細ビューの Origin trials
- 新しい CSS コンテナクエリバッジ
- ネットワークフィルタを反転するための新しいチェックボックス
- Console サイドバーが今後非推奨に
- Issue タブや Network パネルでの未加工の
Set-Cookie
ヘッダーの表示 - Console での自身のプロパティとしてのネイティブアクセサの一貫した表示
- #sourceURL を使ったインラインスクリプトの適切なエラースタックトレース
- Computed ペインでのカラーフォーマットの変更
- カスタムツールチップをネイティブの HTML ツールチップに置き換え
- [実験的] Issues タブでの問題の非表示
Chrome 93
更新日 • 記事を改善する