必知事項は次のとおりです。
- 新しいビューポートのサイズ単位により、適応型 UI を簡単に作成できます。
- カラーベクター フォントで可変フォントがサポートされるようになりました。
- File System Access API の一部であるインターフェース
FileSystemSyncAccessHandle
のメソッドが同期になりました。 - その他多くの機能
Adriana Jara と申します。Chrome 108 のデベロッパー向けの新機能について詳しく見ていきましょう。
新しいビューポート サイズの単位
新しいビューポート単位を使用すると、アダプティブ UI をより細かく制御できます。
これらの単位では、ブラウザ内で開いたり閉じたりできる UI 要素が考慮されるため、ビューポート領域の測定方法が異なります。たとえば、アドレスバーです。
large
単位は、これらのユーザー エージェント インターフェースが閉じられていることを前提としたビューポート サイズを提供します。
一方、small
単位は、インターフェースが展開されていることを前提としたビューポート サイズを提供します。
dynamic
単位を使用すると、ブラウザ インターフェース要素が表示されるかどうかに応じて、ビューポートのサイズが自動的に調整されます。
値は、大単位(最大値)と小単位(最小値)の範囲内の任意の値にできます。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。また、Android ビューポートのサイズ変更動作の変更も確認して、ビューポートを適切に処理してください。
COLRv1 で可変フォントがサポートされるようになりました。
COLRv1 カラーベクター フォントは Chrome 98 以降でサポートされていますが、最初のリリースでは COLRv1 テーブルの静的機能のみがサポートされていました。
しかし、COLRv1 仕様には OpenType バリエーションも含まれています。つまり、変数軸の値を変更することでフォント プロパティを変更できます。現在、このようなバリエーションがサポートされています。
このリリースには、CSS @supports
の条件拡張機能である font-tech()
と font-format()
も含まれています。
これらの条件により、開発者はフォント機能が利用可能になったときに検出して最新のエクスペリエンスをユーザーに提供できるほか、サポートが利用できない場合はフォールバックも作成できます。
こちらのデモで可変フォントを使って、言葉にインパクトを加えてみましょう。
FileSystemSyncAccessHandle メソッドが同期になりました。
オリジンの非公開ファイル システムは、パフォーマンスを重視して高度に最適化された特別な種類のファイルへのアクセスを提供します。デベロッパーは、FileSystemFileHandle
オブジェクトで公開されているメソッドである createSyncAccessHandle()
を呼び出すことで、このようなファイルにアクセスできます。
この呼び出しの結果は FileSystemSyncAccessHandle
になります。
このアクセス ハンドルのメソッド truncate(newSize)
、getSize()
、flush()
、close()
は、以前は非同期でしたが、Chrome 108 以降は同期になりました。
この変更には正当な理由があります。FileSystemSyncAccessHandle
を、WASM ベースのアプリケーションが想定する同期の POSIX ライクなファイル API と一致させることで、API の使い勝手を向上させ、パフォーマンスを大幅に向上させることができます。
これは互換性を破る変更となる可能性があるため、上記のメソッドを使用している場合、Promise.then()
を使用すると機能しなくなります。以前は非同期だったメソッドと現在は同期のメソッドのいずれかの結果に対する then()
呼び出しを連結する場合は、コードを変更する必要があります。
// ⛔️ This will break, and you need to restructure your code:
accessHandle.flush().then(/* Follow-up code */);
// ✅ Correct:
accessHandle.flush();
/* Follow-up code */
詳細な手順については、こちらの記事をご覧ください。
その他
もちろん、他にもたくさんあります。
- 置換された要素の
overflow
の動作が変更され、ロールアウトされています。 - ID プロバイダの場合は、Federated Credential Management API をご覧ください。
- Media Source Extensions API をワーカー コンテキストで使用できるようになりました。
関連情報
主なハイライトのみを記載しています。Chrome 108 のその他の変更については、以下のリンクをご覧ください。
- Chrome DevTools の新機能(108)
- Chrome 108 の非推奨と削除
- Chrome 108 に関する ChromeStatus.com の更新
- Chromium ソース リポジトリの変更リスト
- Chrome のリリース カレンダー
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Adriana Jara と申します。Chrome 109 がリリースされ次第、Chrome の新機能についてお知らせします。