bfcache の使用がブロックされたナビゲーションとその理由を確認します。
PerformanceNavigationTiming クラスに追加された notRestoredReasons プロパティは、ドキュメント内のフレームがナビゲーションで bfcache を使用することをブロックされたかどうかと、その理由に関する情報をレポートします。デベロッパーは、この情報を使用して、bfcache と互換性を持たせるために更新が必要なページを特定し、サイトのパフォーマンスを改善できます。
現在のステータス
notRestoredReasons API は Chrome 123 からリリースされ、段階的にロールアウトされています。
コンセプトと使用方法
最新のブラウザには、バックフォワード キャッシュ(bfcache)と呼ばれる履歴ナビゲーションの最適化機能が用意されています。これにより、ユーザーがすでにアクセスしたページに戻ったときに、瞬時に読み込まれるようになります。ページが bfcache に入るのをブロックされたり、bfcache に入っている間に追い出されたりする理由はさまざまです。仕様で定められているものもあれば、ブラウザの実装に固有のものもあります。
以前は、フィールドでページが bfcache の使用をブロックされた理由をデベロッパーが確認する方法はありませんでしたが、Chrome デベロッパー ツールでテストを行うことはできました。フィールドでモニタリングを有効にするため、PerformanceNavigationTiming クラスが拡張され、notRestoredReasons プロパティが含まれるようになりました。これにより、トップフレームとドキュメント内のすべての iframe に関連する情報を含むオブジェクトが返されます。
- bfcache の使用がブロックされた理由。
フレーム
idやnameなどの詳細情報。HTML 内の iframe の特定に役立ちます。これにより、デベロッパーは bfcache に対応したページを作成し、サイトのパフォーマンスを改善できます。
例
PerformanceNavigationTiming インスタンスは、Performance.getEntriesByType() や PerformanceObserver などの機能から取得できます。
たとえば、次の関数を呼び出して、パフォーマンス タイムラインに存在するすべての PerformanceNavigationTiming オブジェクトを返し、それらの notRestoredReasons をログに記録できます。
function returnNRR() {
const navEntries = performance.getEntriesByType("navigation");
for (let i = 0; i < navEntries.length; i++) {
console.log(`Navigation entry ${i}`);
let navEntry = navEntries[i];
console.log(navEntry.notRestoredReasons);
}
}
履歴ナビゲーションの場合、PerformanceNavigationTiming.notRestoredReasons プロパティは、最上位フレームのブロック状態を表す次の構造のオブジェクトを返します。
{
children: [],
id: null,
name: null,
reasons: [
{"reason", "unload-listener"}
],
src: null,
url: "https://www.example.com/page/"
}
プロパティは次のとおりです。
children- 最上位フレームに埋め込まれた同一オリジン フレームのブロック状態を表すオブジェクトの配列。各オブジェクトは親オブジェクトと同じ構造を持ちます。これにより、任意の数のレベルの埋め込みフレームをオブジェクト内で再帰的に表現できます。フレームに子がない場合、配列は空になります。
id- フレームの
id属性値を表す文字列(例:<iframe id="foo" src="...">)。フレームにidがない場合、値はnullになります。最上位のページの場合、これはnullです。 name- フレームの
name属性値を表す文字列(例:<iframe name="bar" src="...">)。フレームにnameがない場合、値は空の文字列になります。最上位のページの場合、これはnullです。 reasons- ナビゲートされたページが bfcache の使用をブロックされた理由を表す文字列の配列。ブロックが発生する理由はさまざまです。詳しくは、ブロックの理由のセクションをご覧ください。
src- フレームのソースへのパスを表す文字列(例:
<iframe src="b.html">)。フレームにsrcがない場合、値は空の文字列になります。最上位のページの場合、これはnullです。 url- ナビゲーションされたページ/iframe の URL を表す文字列。
履歴ナビゲーションを表さない PerformanceNavigationTiming オブジェクトの場合、notRestoredReasons プロパティは null を返します。
notRestoredReasons は、ブロックする理由がない場合にも null を返すため、これが null であっても、bfcache が使用されたかどうかを示すものではありません。そのためには、event.persisted プロパティを使用する必要があります。
同一オリジン フレームでの bfcache のブロックをレポート
ページに同一オリジンのフレームが埋め込まれている場合、返される notRestoredReasons 値の children プロパティには、埋め込まれた各フレームのブロック状態を表すオブジェクトが含まれます。
次に例を示します。
{
children: [
{
children: [],
id: "iframe-id",
name: "iframe-name",
reasons: [],
src: "./index.html",
url: "https://www.example.com/"
},
{
children: [],
id: "iframe-id2",
name: "iframe-name2",
reasons: [
{"reason": "unload-listener"}
],
src: "./unload-examples.html",
url: "https://www.example.com/unload-examples.html"
},
],
id: null,
name: null,
reasons: [],
src: null,
url:"https://www.example.com"
}
クロスオリジン フレームでの bfcache のブロックを報告
ページにクロスオリジン フレームが埋め込まれている場合、クロスオリジン情報の漏洩を防ぐため、共有される情報量を制限します。外部ページがすでに把握している情報と、クロスオリジン サブツリーが bfcache をブロックしたかどうかのみが含まれます。ブロックの理由や、サブツリーの下位レベルに関する情報は含まれません(一部のサブレベルが同一オリジンであっても同様です)。
次に例を示します。
{
children: [
{
children: [],
id: "iframe-id",
name: "iframe-name",
reasons: [],
src: "./index.html",
url: "https://www.example2.com/"
}
],
id: null,
name: null,
reasons: [
{"reason": "masked"}
],
src: null,
url:"https://www.example.com"
}
すべてのクロスオリジン iframe について、フレームの reasons 値として null を報告し、トップレベル フレームには "masked" の理由が表示されます。"masked" はユーザー エージェント固有の理由で使用されることもあるため、常に iframe の問題を示すとは限りません。
セキュリティとプライバシーの考慮事項について詳しくは、説明のセキュリティとプライバシーのセクションをご覧ください。
ブロックの理由
前述のとおり、ブロックが発生する理由はさまざまです。
bfcache を使用できない一般的な理由の例を次に示します。
unload-listener: ページがunloadハンドラを登録しているため、特定のブラウザで bfcache が使用されません。詳しくは、unload イベントの非推奨化をご覧ください。response-cache-control-no-store: ページはno-storeをcache-control値として使用します。related-active-contents: このページは、このページへの参照が残っている別のページから(「タブを複製」を使用して)開かれました。
フィードバック
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